アルコールチェックの記録は、安全運転管理者協会などが公開する無料テンプレートを使えば、すぐに整えられます。ただし、拠点や人数が増えると転記漏れや改ざんのリスクが高まるため、クラウド管理への移行を判断する基準も必要です。
本記事では義務化の内容と用途別の無料テンプレート5選、記録項目と記入例を解説します。エクセル管理の限界とクラウド管理の特徴までまとめているため、ぜひ参考にしてみてください。
目次
アルコールチェック義務化の内容

アルコールチェックの義務化は、運転前後に酒気帯びの有無を確認し、記録を1年間保存する制度です。以下の2点から、対象と責任者の役割を確認しましょう。
- 対象となる事業所
- 安全運転管理者(および補助者)に求められる実務責任
対象となる事業所
対象は、安全運転管理者を選任すべき事業所です。乗車定員11人以上の自動車が1台以上、または定員10人以下の自動車が5台以上ある事業所が該当し、自動二輪車は1台を0.5台として換算します。
緑ナンバーや黒ナンバーの営業所は、貨物自動車運送事業法などにもとづき点呼が義務づけられています。
安全運転管理者(および補助者)に求められる実務責任
安全運転管理者は、運転前後の酒気帯び確認と記録の1年間保存、検知器を常時有効に保持する管理を担います。選任は事業所ごとに行い、選任から15日以内に公安委員会へ届け出る決まりです。
使用する自動車が20台以上の事業所では、副安全運転管理者もあわせて選任します。管理者が不在の時間帯は、副安全運転管理者や補助者が確認を代行できる体制を整えなくてはいけません。
関連記事:【2026年最新】アルコールチェックが義務化!対象者や企業がとるべき対策を解説
【用途別】アルコールチェック管理表のエクセル無料テンプレート5選

安全運転管理者協会やトラック協会が公開するテンプレートは、無料でダウンロードできます。以下の5つから、自社の運用に近い様式を選びましょう。
- 【シンプル版】ドライバー数が少ない・運用の手間を抑えたい場合
- 【日別管理版】当日の全員分の測定結果を一覧で確認・保管したい場合
- 【社員別管理版】ドライバーごとの管理や出退勤と連動させたい場合
- 【車両別管理版】1台の社用車を複数人で共有している場合
- 【点呼・乗務一体型】運転日報や日常点検とまとめて管理したい場合
1.【シンプル版】ドライバー数が少ない・運用の手間を抑えたい場合
ドライバーが数名の事業所には、項目を絞ったシンプルな様式が向いています。鹿児島県安全運転管理協議会が公開する「アルコールチェック表」は、エクセル形式で配布されており、日付と運転者、測定結果を順に記入する構成です。
項目が少ないため記入の負担が軽く、導入初日から運用を始められます。記録に必要な8項目が入っているかを確認し、不足する欄は列を追加して補いましょう。
出典:アルコールチェック表(Excel)|一般社団法人 鹿児島県安全運転管理協議会
2. 【日別管理版】当日の全員分の測定結果を一覧で確認・保管したい場合
当日の全員分をまとめて確認したい場合は、複数の運転者を1枚に記入できる様式が便利です。千葉県安全運転管理協会は「アルコール検査確認結果記録表(複数運転者用)」をエクセルとPDFの両方で公開しています。
1日1枚の運用になるため、確認漏れの発見が早く、朝礼時の点検にも使いやすい様式です。管理者が押印または署名する欄を設けておけば、確認者名の記録漏れも防げます。
出典:アルコールチェック義務化(様式ダウンロード)|一般社団法人 千葉県安全運転管理協会
3. 【社員別管理版】ドライバーごとの管理や出退勤と連動させたい場合
社員ごとに履歴を追いたい場合は、運転者単位で記録する様式が適しています。千葉県安全運転管理協会の「アルコール検査確認結果記録表(運転者決定型)」は、1人の運転者の測定結果を日付順に並べる構成です。
出退勤の記録と並べて管理できるため、特定の社員の測定漏れを早く見つけられます。人数分のシートを作る手間はかかるものの、個別の指導や面談の資料として役立つ様式です。
出典:アルコールチェック義務化(様式ダウンロード)|一般社団法人 千葉県安全運転管理協会
4.【車両別管理版】1台の社用車を複数人で共有している場合
1台の社用車を複数人で使う職場では、車両ごとに記録を残す様式が便利です。千葉県安全運転管理協会が公開する「運転日誌とアルコール検査確認結果記録表を一体にした様式」は、車両番号と運転者、測定結果を1枚にまとめられます。
誰がいつ運転したかを車両単位で追えるため、事故やトラブルの際の確認がスムーズです。鍵の受け渡し場所に用紙を置いておけば、記入忘れを減らせます。
出典:アルコールチェック義務化(様式ダウンロード)|一般社団法人 千葉県安全運転管理協会
5.【点呼・乗務一体型】運転日報や日常点検とまとめて管理したい場合
運転日報や日常点検と一体で管理したい場合は、点呼記録簿の様式が向いています。愛知県トラック協会は点呼記録簿や運転日報、日常点検表をエクセルとPDFで公開しているため、必要な帳票がまとめて手に入る点が便利です。
帳票が1つにまとまるため、記入と保管の手間を大きく減らせます。緑ナンバーの営業所では点呼の記録が義務のため、一体型の様式が実務に合いやすい選択肢です。
出典:各種様式ダウンロード|一般社団法人 愛知県トラック協会
アルコールチェックの記録項目

アルコールチェックの記録簿には、法令で定められた以下の8項目を漏れなく記載する必要があります。
- 確認者名
- 運転者名
- 自動車登録番号または識別できる記号
- 確認の日時
- 確認方法
- 酒気帯びの有無
- アルコール検知器の使用の有無
- 指示事項
テンプレート選びの際は、上記8項目がすべて揃っているかを必ず確認しましょう。また、以下の2点も運用上の重要ポイントとなります。
- 「アルコール検知器使用の有無」は必須:2023年12月の法改正により必須項目となりました。記入欄のない古いテンプレートを使用する場合は、必ず列を追加してご活用ください。
- 記録の1年間保存義務:作成した記録は1年間の保存が義務付けられており、警察の確認や監査時に提示を求められる場合があります。
アルコールチェックの正しい実施手順
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実施手順は、運転を含む業務の開始前と終了後に、目視等による確認と検知器での測定を組み合わせる流れです。まず顔色や呼気のにおい、応答の声の調子を確かめ、続いて検知器で呼気を測定します。
測定前の飲食やうがい薬の使用は数値に影響するため、直前を避けて時間を置きましょう。
アルコールチェック記録の保存ルール

記録は確認した日から1年間保存する義務があり、紙とデータのどちらでも保存できます。エクセルで管理する場合は、月ごとや拠点ごとにファイルを分け、保存場所を社内で共有しておきましょう。
ファイルの破損や誤削除に備え、バックアップの取得先を決めておく運用が安心です。
アルコールチェックをエクセルで管理する限界(デメリット)

手軽に導入できるExcel(エクセル)管理ですが、運用を続ける中で「入力や確認の手間が追いつかない」「不正やミスを防ぎきれない」といった課題に直面する企業が少なくありません。
エクセルを使った管理には、主に以下の4つの限界が存在します。自社の運用で同じようなリスクが生じていないかチェックしてみましょう。
- 手動転記・入力漏れによる「後からまとめて記入」の常態化する
- 直行直帰・遠隔地での「電話報告の転記漏れ」とタイムラグがある
- 過去データの改ざん・数値偽装・なりすましなどの不正がある
- 複数拠点の集計工数増加やファイル破損・誤上書きによる不備が発生する
手動転記・入力漏れによる「後からまとめて記入」の常態化する
1つ目の限界は、測定結果を人が手で入力する作業の負担です。忙しい時間帯は入力が後回しになり、週末にまとめて記入する運用が常態化します。
後からまとめて書いた記録は、確認日時が実際とずれるため不実記載と判断されかねません。入力のタイミングを朝礼直後などに固定し、担当者を決めておく対応が必要です。
直行直帰・遠隔地での「電話報告の転記漏れ」とタイムラグがある
2つ目の限界は、電話で受けた報告を管理者が転記する手間とタイムラグです。管理者が会議中や外出中であれば、報告を受けたメモが記録へ反映されないまま終わります。
数値の聞き間違いや、運転者名の書き間違いも起こりやすい状況です。報告用のフォームを用意し、運転者本人が入力する形に変えると転記の工程を減らせます。
過去データの改ざん・数値偽装・なりすましなどの不正がある
3つ目の限界は、エクセルのセルが後からいくらでも書き換えられる点です。測定していない日の欄を埋めても記録上は区別がつかず、改ざんの痕跡も残りません。
測定者が本人かどうかを確かめる手段がないため、同僚による代理測定のリスクも残ります。ファイルにパスワードを設定するだけでは、記録の信頼性を保てないのが実情です。
複数拠点の集計工数増加やファイル破損・誤上書きによる不備が発生する
4つ目の限界は、拠点が増えるほど集計の手間が膨らむ点にあります。拠点ごとのファイルを月末に集めて統合する作業には時間がかかり、確認漏れの発見も遅れがちです。
共有フォルダで複数人が同時に開けば、誤って上書きするトラブルも起こります。ファイルの破損で記録を失えば、保存義務を満たせなくなるリスクがあるため注意が必要です。
アルコールチェックのエクセル管理の課題を解決する「クラウド管理」の特徴

エクセル管理で頻発する「入力の手間」「転記漏れ」「不正リスク」といった課題は、管理体制をクラウド型システムへ移行することで一気に解決できます。
クラウド管理には、主に以下の3つの大きな特徴(メリット)があります。
- 検知器連動と自動記録による「入力工数の削減」
- 写真撮影・位置情報取得による「不正・なりすましの防止」
- 異常値(アルコール検知)発生時の「リアルタイムアラート通知」
検知器連動と自動記録による「入力工数の削減」
1つ目の特徴は、検知器の測定結果が自動でクラウドへ保存される点です。人が数値を書き写す工程がなくなり、入力ミスと転記漏れを同時に防げます。
記録は測定と同時に残るため、後からまとめて記入する運用も不要です。日報の自動生成や勤怠管理との連携に対応するサービスを選べば、管理業務の時間をさらに短縮できます。
写真撮影・位置情報取得による「不正・なりすましの防止」
2つ目の特徴は、測定時に顔写真や位置情報を残せる点です。誰がどこで測定したかが記録に残るため、同僚による代理測定を防げます。
保存されたデータは後から書き換えられないため、改ざんの心配もありません。直行直帰の多い職場ほど、証拠が自動で残る仕組みの価値が高まります。
異常値(アルコール検知)発生時の「リアルタイムアラート通知」
3つ目の特徴は、アルコールが検知された際に管理者へすぐ通知が届く仕組みにあります。出発前に気づけるため、運転を止める判断が間に合う点が強みです。
未実施の運転者を自動で抽出する機能があれば、確認漏れも当日中に把握できます。拠点が離れていてもダッシュボードで状況を追えるため、管理者の巡回や電話確認の負担も小さくなる点が魅力です。
アルコールチェックの管理についてよくある質問

最後に、アルコールチェックの管理についてよくある質問に回答します。
アルコール検知器とパソコンを連携(データ転送)できますか?
- メモリー機能を備えた検知器であれば、USBケーブルなどでパソコンへ測定データを転送することが可能です。転送したデータをエクセルへ取り込む運用にすれば、手入力の手間を減らせます。ただし、転送作業を人が行う点は変わらず、拠点が離れている場合は機器の回収が必要です。
スマホアプリでの管理(測定・記録)はできますか?
- スマートフォンと検知器を連携させ、アプリで測定と記録を完結させる運用が可能です。測定結果が即時にクラウドへ保存されるため、直行直帰や出張でも記録が残ります。アプリによっては顔写真の撮影や位置情報の取得に対応し、なりすましの防止にも有効です。
手入力やエクセル管理に限界を感じたら、管理業務を大幅に効率化する「セーフくん」

エクセル管理は無料で始められる手軽さがある反面、転記漏れやデータ改ざん、拠点ごとの集計工数など、運用面での限界が生じやすくなります。管理者の負担が大きくなってきた段階や、対象人数・拠点数が拡大したタイミングで、クラウド管理への移行を検討しましょう。
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