白ナンバーのアルコールチェックは、乗車定員11人以上の自動車1台以上、または定員10人以下の自動車5台以上を所有する「安全運転管理者の選任対象となる事業所」で義務付けられています。
本記事では、白ナンバー義務化の対象条件や緑ナンバーとの違いをはじめ、安全運転管理者が行うべき実務、運用ルール、記録項目、検知器の選び方まで徹底解説します。
自社の適切なコンプライアンス対応にお役立てください。
目次
白ナンバーのアルコールチェック義務化とは

白ナンバーのアルコールチェックは、道路交通法にもとづき安全運転管理者が行う「酒気帯びの有無の確認」です。以下の2点から、制度の全体像を確認しましょう。
- 緑ナンバーと白ナンバーの違い
- 義務化の社会的背景
緑ナンバーと白ナンバーの違い
緑ナンバーは運送や旅客輸送で運賃を受け取る事業用の車両で、白ナンバーは自社の業務に使う自家用の車両です。緑ナンバーは貨物自動車運送事業法などにもとづき国土交通省が所管し、営業所での点呼が以前から義務付けられています。
白ナンバーは道路交通法にもとづき公安委員会と警察が所管し、2022年から酒気帯び確認が義務になっています。営業車や配送バン、役員車のように、運賃を受け取らずに使う社用車が対象です。
義務化の社会的背景
義務化の背景には、飲酒運転による重大事故がなくならない現実があります。2021年に千葉県八街市で、飲酒運転のトラックが下校中の児童の列に突っ込み、5人が死傷する事故が発生しました。
事故を起こした車両は白ナンバーで、当時は酒気帯び確認の義務がありませんでした。事故を受けて道路交通法施行規則が改正され、白ナンバーの事業所にも確認と記録が求められるようになりました。
白ナンバーのアルコールチェック義務化のスケジュール

白ナンバー事業所におけるアルコールチェックの義務化は、道路交通法施行規則の改正により、以下の2段階で施行されました。
- 【第1段階】2022年4月1日施行: 目視等による確認と記録・1年間保存の義務化
- 【第2段階】2023年12月1日施行: アルコール検知器の使用と常時有効保持の義務化
【第1段階】2022年4月1日施行: 目視等による確認と記録・1年間保存の義務化
2022年4月1日より、安全運転管理者による「目視等での酒気帯び確認」と「記録の1年間保存」が義務付けられました(道路交通法施行規則 第9条の10 第6号・第7号)。
顔色や応答の声の調子、呼気のにおいなどを直接または電話等で確認する運用がスタートし、確認内容を記録簿に残すことが求められるようになりました。なお、この時点では検知器の使用までは義務化されておらず、目視確認を中心とした運用でした。
【第2段階】2023年12月1日施行: アルコール検知器の使用と常時有効保持の義務化
2023年12月1日からは、目視等での確認に加え「アルコール検知器を用いた測定」が本格的に義務化されました(道路交通法施行規則 第9条の10 第6号)。
これにより、目視確認と検知器による測定を組み合わせ、その結果(検知器使用の有無を含む必須8項目)を1年間保存する運用へ移行しています。また、検知器が正常に作動する状態を保つため「常時有効に保持する義務(定期的な点検・校正・故障確認)」も明記されました。
白ナンバーのアルコールチェック義務化の対象条件

アルコールチェックの義務化対象となるのは、「安全運転管理者」の選任が必要な事業所です。判定は企業全体ではなく「拠点(事業所)ごと」に行われます。
【選任が必要となる条件(いずれかに該当)】(道路交通法施行規則 第9条の8)
- 11人乗り以上の車: 1台以上(マイクロバス、送迎バスなど)
- 10人乗り以下の車: 5台以上(営業車、配送バン、軽自動車など)
※50cc超の自動二輪車(バイク)は1台を「0.5台」としてカウント
なお、対象となる車両の台数を算出する際は、以下のポイントに注意が必要です。
【台数をカウントする際の注意点】
- 対象の範囲: 自社所有車だけでなく、リース車や役員車を含むすべての社用車
- 判定の単位: 全社合計ではなく「拠点単位」(例:全社で8台あっても、A支店4台・B支店4台ならどちらも対象外)
このように、所有形態を問わず社用で使うすべての車を含めた上で、拠点ごとに配置台数を正しくカウントする必要があります。仮に全社で合計8台の車を保有していても「A支店で4台、B支店で4台」のように分散していれば、どちらの拠点も選任対象外となります。
白ナンバーのアルコールチェックにおける安全運転管理者の業務

安全運転管理者とは、事業所ごとに選任し、社用車の安全運転を確保する責任者です。選任後15日以内に公安委員会へ届け出る必要があり、20台以上の事業所では副安全運転管理者もあわせて選任します。
具体的な業務内容は以下のとおりです。
- 運転者の適性や運転状況の把握
- 安全運転を確保するための運行計画の作成
- 長距離運転や夜間運転での交替運転者の配置
- 異常気象時などの安全確保の措置
- 点呼による過労や病気の確認と必要な指示
- 運転前後の酒気帯びの有無の確認
- 確認内容の記録・1年間の保存と検知器の常時有効保持
- 運転日誌の備え付けと記録
- 運転者に対する安全運転の指導
9つの業務のうち、酒気帯び確認と記録の保存は法改正で追加された内容です。
白ナンバーのアルコールチェックの運用ルール

白ナンバーのアルコールチェックの運用ルールは警察庁のQ&Aで示されており、以下の4点が実務の軸です。
- 点呼(酒気帯び確認)を実施するタイミングは「運転の前後」
- 確認方法は「対面が原則」
- 非対面(直行直帰・出張)における点呼は「対面に準ずる方法」
- 確認内容は「記録簿で1年間保存」
点呼(酒気帯び確認)を実施するタイミングは「運転の前後」
酒気帯びの確認は、運転を含む業務の開始前と終了後に実施する決まりです。1日に何度も車を使う場合でも、出勤時と退勤時の確認で足りるとされています。
個々の運転の直前や直後に毎回測定する必要はありません。業務の流れに合わせて、朝礼時や帰社時など確認しやすい時間帯を決めておきましょう。
確認方法は「対面が原則」
確認方法は対面が原則で、顔色や呼気のにおい、応答の声の調子を目視で確かめます。あわせてアルコール検知器で測定し、数値を確認する流れです。
目視だけ、または検知器だけの確認は義務を満たしません。2つをセットで実施し、結果を当日のうちに記録へ残しましょう。
非対面(直行直帰・出張)における点呼は「対面に準ずる方法」
直行直帰や出張で対面が難しい場合は、カメラやモニターで顔色と応答、検知器の測定結果を確認する方法が認められています。携帯電話で声の調子を確認し、測定結果を報告させる方法も可能です。
他の事業所の車両を運転する日は、現地の管理者が立ち会って測定し、所属先の管理者へ報告します。安全運転管理者が不在の時間帯は、副安全運転管理者や補助者が確認を担当しましょう。
出典:安全運転管理者による運転者に対する点呼等の実施及び酒気帯び確認等について(通達)(点呼等の実施の方法)|警察庁
確認内容は「記録簿で1年間保存」
確認した内容は記録簿やシステムに残し、1年間保存する義務があります。記録は警察の確認や監査で求められる場合があるため、拠点ごとに保管場所を決めておきましょう。
紙の記録簿は紛失や書き換えのリスクがあり、拠点が増えるほど集計の手間が膨らむ点が課題です。
確認漏れやミスのリスクを防ぐクラウドアルコールチェッカー「セーフくん」

クラウド型アルコールチェックアプリ「セーフくん」は、測定結果を自動でクラウドに保存し、1年間の記録管理まで任せられるサービスです。チェック漏れを自動で抽出する機能により、直行直帰の社員が多い職場でも未実施を見逃しません。
ダッシュボードで全拠点の実施状況を一括で把握でき、モバイルアプリから承認する運用にも対応しています。
白ナンバーのアルコールチェックでの記録すべき8項目

アルコールチェックの記録簿には、法令で定められた以下の8項目を必ず記載する必要があります。
- 確認者名(安全運転管理者または補助者名)
- 運転者名
- 自動車登録番号または識別できる記号・番号
- 確認日時
- 確認方法(対面や直行直帰など具体的な方法)
- 酒気帯びの有無
- アルコール検知器の使用の有無
- 指示事項やその他必要な事項
検知器の使用の有無は、2023年12月の法改正で必須項目となりました。項目が1つでも欠けると記録として不十分なため、様式をあらかじめ整えておきましょう。
白ナンバーのアルコールチェッカーの選び方

国家公安委員会の告示では、呼気中のアルコールを検知し、有無または濃度を警告音や警告灯、数値などで示す機能を持つ機器と定められています。要件を満たしたうえで、以下の4点を比べて選びましょう。
- センサー方式
- 機器のタイプ
- 運用方法
- 保守管理
出典:アルコール検知器に関する告示(国家公安委員会告示第63号)|警察庁
センサー方式
センサー方式には、半導体式と燃料電池式の2種類があります。半導体式は本体価格を抑えやすく、少人数の事業所で導入しやすい方式です。
燃料電池式は呼気中のアルコールに反応する精度が高く、測定回数の多い現場に向いています。
機器のタイプ
機器のタイプは、持ち運べるハンディ型と、事業所に設置する据置型の2つです。ハンディ型は直行直帰や出張の多い社員に持たせやすく、現地での測定に向いています。
据置型は出勤時にまとめて測定する運用に適しており、顔写真の撮影機能を備えた機種も選択肢です。
運用方法
運用方法では、測定結果をどのように記録へ残すかを確認しましょう。本体のメモリーに保存する機種は、後からパソコンへ取り込む手間がかかります。
スマートフォンやクラウドと連携する機種であれば、測定と同時に記録が残り、転記の手間が不要です。
保守管理
検知器は常時有効に保持する義務があるため、保守管理のしやすさが選定の基準です。センサーには寿命があるため、使用回数や年数に応じて交換や校正を行います。
交換用センサーの価格や、校正のサポート体制を導入前に確かめておきましょう。
関連記事:【2026年最新】アルコールチェッカーおすすめ17選!選び方と運用法も徹底解説
白ナンバーのアルコールチェックにおける法令違反時の罰則

アルコールチェックを怠った場合、直接の罰則ではなく安全運転管理者制度の枠組みで責任を問われる形です。安全運転管理者を選任していない場合は50万円以下の罰金が科され、法人にも同額の罰金が科される両罰規定があります。
安全運転管理者が業務を怠り不適格と判断されると、公安委員会から使用者へ解任命令が出される仕組みです。飲酒運転を黙認したまま運転させた場合は、下命・容認として事業主が刑事責任を問われます。
関連記事:アルコールチェックの違反事例と罰則|事例から学ぶ「形骸化・なりすまし」の防ぎ方【2026年】
白ナンバーのアルコールチェックについてよくある質問

最後に、白ナンバーのアルコールチェックについてよくある質問に回答します。
そもそも白ナンバー(自家用自動車)とは何ですか?
- 白ナンバーとは、運賃を受け取らずに自社の業務で使う自家用自動車を指します。営業車や配送バン、役員車、送迎用のマイクロバスが代表例です。運送業や旅客運送業のように運賃を受け取る車両は緑ナンバーや黒ナンバーに区分され、別の法令で点呼が義務づけられています。
保有台数が5台未満の場合はアルコールチェックの対象外ですか?
- 定員10人以下の自動車が4台以下で、定員11人以上の自動車がない事業所は、安全運転管理者の選任義務がありません。法令上のアルコールチェックの義務は生じません。ただし、万が一飲酒運転による事故が発生した場合、企業の社会的責任や安全配慮義務が問われることに変わりはありません。そのため、法令の対象外であってもコンプライアンス強化のために自主的にアルコールチェックを実施する企業が増えています。
白ナンバーのアルコールチェックで他業務と兼任するなら、クラウド管理「セーフくん」がおすすめ

白ナンバーのアルコールチェックは、対象条件の確認から記録の保存まで、安全運転管理者が担う業務が多岐にわたります。総務や人事と兼任している担当者ほど、仕組みで負担を減らす工夫が欠かせません。
クラウド型アルコールチェックアプリ「セーフくん」は、測定から記録、1年間の保存までを自動化するサービスです。チェック漏れの自動抽出や日報の自動生成により、1人あたり月4時間の作業削減を実現しています。
検知器をセットで提供するため、兼任の担当者が無理なく運用を続けられる点も魅力です。白ナンバーの義務化への対応を効率よく進めたい方は、ぜひ「セーフくん」のご利用をご検討ください。



