直行直帰時のアルコールチェックを6つの運用ステップとともに解説!

直行直帰時のアルコールチェックを6つの運用ステップとともに解説! コラム

飲酒運転による悲惨な事故により、2023年の4月から対象の事業者に、アルコール検知器を使用したアルコールチェックが義務付けられています。業務目的で運転が必要となる事業者様の中には、ご自身が対象に入るのか、チェックの仕方はどうするのか、理解できていない方もいるのではないでしょうか。
特に、直行直帰などのイレギュラーに関しては、アルコールチェックをどのように行えば良いかわからず悩む方も少なくありません。

この記事では、以下の内容について解説します。

アルコールチェック義務化の対象者
チェックのタイミング
直行直帰の場合のチェック方法
おすすめのツール

アルコールチェックに関する詳しい情報を探している方、直行直帰の場合のチェック方法について知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

アルコールチェックを実施すべき対象者とは

アルコールチェックを実施すべき対象者とは

アルコールチェックは、業務を目的に運転するすべての従業員に義務付けられています。
対象となるのは、以下のどちらかに当てはまる企業です。

・白ナンバー車を5台以上保持している企業
・乗車定員が11人以上で白ナンバー車を1台以上を保持する企業

道路交通法の改訂により、私有車・社有車関係なく業務のために自動車を使用する場合には、必ずアルコール検知器を使用したチェックが義務付けられました。
通勤のみに自動車を使用する場合は不要となりますが、通勤中の事故は会社側が責任を問われる場合がほとんどなので注意しなければなりません。

飲酒運転の根絶、トラブルの回避のために、マイカーで通勤する従業員にもアルコールチェックを実施するのがおすすめです。
ここからは、アルコールチェックの実施タイミングや、直行直帰時の実施方法について解説します。
適切に実施しなかった場合、罰則が科せられる可能性もあるため、正しく認識しておくことが重要です。

>>【2024年3月】アルコールチェッカーのおすすめ11選を徹底比較

アルコールチェックを実施するタイミング
直行直帰が早朝・深夜の場合のアルコールチェック
アルコールチェックをを実施しなかった場合の罰則

アルコールチェックを実施するタイミング

アルコールチェックは、基本的に業務目的での車を運転する際、その運転前と運転後の2回に分けて行います。
ただし、業務上何度も同じ日に乗り降りを繰り返す場合、乗り降りのたびにチェックを行う必要はありません。

出勤時または、当日に運転をする予定が決まった場合には、その段階でチェックを行います。
すべての業務が確実に終了し、業務目的での運転が終了した際には運転後のチェックを行います。
運転前だけでなく運転後にも忘れずに行うことが大切です。

直行直帰が早朝・深夜の場合のアルコールチェック

原則として、アルコールチェックは安全運転管理者と対面する形で実施するのがルールです。
しかし、早朝や深夜などのタイミングで直行直帰するドライバーも少なくありません。
もちろん、直行直帰のドライバーに対しても、チェックは欠かせません。
深夜や早朝で、安全運転管理者との対面で行うチェックが難しい場合には、以下の方法が採用されます。

カメラ・モニターを使用し、安全運転管理者がドライバーの顔色・声色・検知器の測定結果を確認する。
携帯電話や無線を用いて、直接声の調子を確認。アルコール検知器の測定結果を報告させる。

単純にドライバーがメールで検査結果を報告する形での確認は原則認められていません。
必ず、安全運転管理者・副安全運転管理者、もしくは安全運転管理者により選任された対象者の管理のもと、チェックの記録を残す必要がある点に注意が必要です。

アルコールチェックをを実施しなかった場合の罰則

現状、アルコールチェックを実施しなかった場合の罰則は特に定められていません。
しかし、適切に行わなかったがために、ドライバーの酒酔い運転や酒気帯び運転を見逃してしまう危険性があるのはいうまでもありません。
仮に、従業員の飲酒運転が発覚した場合、ドライバーだけでなく車両提供者のどちらにも罰則が科されます。
具体的な罰則内容は以下のとおりです。

酒酔い運転(酔っ払っている状態):5年以下の懲役または100万円以下の罰金
酒気帯び運転(アルコール濃度が基準値を超えている状態):3年以下の懲役または50万円以下の罰金

飲酒運転による事故やトラブルを未然に防ぐためにも、企業全体でアルコールチェックを徹底することが大切です。

直行直帰時のアルコールチェック6つの運用ステップ

直行直帰時のアルコールチェック6つの運用ステップ

アルコールチェックは、安全運転管理者が原則リアルタイムで確認する必要があります。
ただ、このルールを守ろうにも、直行直帰の場合は現実的に無理があります。
直行直帰時の場合、安全運転管理者は実際にドライバーに会うことができませんが、ビデオ電話などを使用することで適切な検査が可能になります。

直行直帰の場合におけるチェックの手順は以下の流れとなります。ここからは、直行直帰時のアルコールチェックに際する基本的な6つの運用ステップについて、それぞれ解説します。

1. 運転前の目視等による確認と検知器での測定
2. 結果を記録簿に記入して保管
3. 運転終了後にチェック
4. 再度結果を記録簿に記入して保管
5. 後日出社した際などに記録簿を提出
6. 安全運転管理者が内容を確認し、記録簿を1年間保管

1. 運転前の目視等による確認と検知器での測定

直行直帰のドライバーには、運転前にビデオ電話などを接続し、対面・目視できる方法で安全運転管理者が確認します。
重要なのは、必ず「目視」でドライバーの顔色を確認すること。加えて声色を判断した上でアルコール検知器の測定結果を確認しなければなりません。

検知器で測定すれば良いのではなく、目や耳で判断する点が非常に重要とされているため理解しておく必要があります。

2. アルコールチェック結果を記録簿に記入

ドライバーは、運転前のアルコールチェックの結果を記録簿に記入する必要があります。
記録する内容は以下のとおりです。

・確認者名
・ドライバー名
・ドライバーの業務に係る自動車登録番号または識別できる番号・記号など
・確認日時
・確認方法(アルコール検知器の使用を記載。対面でない場合は具体的な確認方法を記載)
・酒気帯びの有無
・指示事項
・その他必要な事項

アルコール検知器の使用は、2023年の12月から義務化されています。具体的に正しく記録簿に記入することが大切です。

3. 運転後にアルコールチェック

運転前と同様に、運転後もアルコールチェックを行います。
ビデオ通話やモニターなどを使用し、安全運転管理者はドライバーの状態をリアルタイムで確認しなければなりません。
ドライバーの顔色・声色、アルコール検知器の測定結果を入念にチェックする必要があります。

4. 運転後に再度アルコールチェック結果を記録簿に記入

ドライバーは、運転後も再度アルコールチェックの結果を記録簿に記入しなければなりません。
記録簿の記入事項は、運転前のものと同じです。全項目ひとつも漏れることなく記入できているか確認しましょう。
運転する前と運転が終了した段階で、内容が異なる場合は該当する項目について記載する必要がありますが、変わらない場合は同様の記載で問題ありません。

5. 直行直帰なので後日記録簿を提出

ドライバーは、後日安全運転管理者に記録簿を提出します。
安全運転管理者とは、道路交通法に基づき一定以上の台数の自家用自動車を保有する事業所において、運行計画や運転日誌の作成、安全運転の指導を行う者を指します。
ちなみに、安全運転管理者には以下の資格要件が求められます。

安全運転管理者の資格要件
・20歳(副安全運転管理者を選任できるのは30歳)以上
・自動車の運転に管理に関して2年以上の実務経験を有する者

また、安全運転管理者に加え、安全運転管理者が副安全運転管理者を選任しなければならない場合があります。
副安全運転管理者に選任されるための資格要件は以下のとおりです。

副安全運転管理者の資格要件
・20歳(副安全運転管理者を選任できるのは30歳)以上
・自動車の運転に管理に関して2年以上の実務経験を有する者

安全運転管理者・副安全運転管理者に必要な資格要件は同様であることがわかります。
ただし、上記要件を満たしていても、以下に該当する場合には安全運転管理者になることはできません。

過去2年以内に公安委員会の安全運転管理者の解任命令を受けた者
以下のいずれかの違反をした日から2年を経過していない者
・ひき逃げ
・無免許運転、酒酔い運転、酒気帯び運転、麻薬等運転
・無免許運転にかかわる車両の提供、同乗
・酒酔い、酒気帯び運転にかかわった車両、酒類を提供する行為
・酒酔い、酒気帯び運転車両への同乗
・次の交通違反の下命、容認(酒酔い、酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許、無資格運転、最高速度違反運転、積載制限違反運転、放置駐車違反)
・自動車使用制限命令違反
・妨害運転に係る罪
引用:静岡県警察(安全運転管理者の資格要件)

安全運転管理者は日頃から安全運転を遵守し、安全運転の重要性を理解している者のみ選任されます。

6. 安全運転管理者が内容確認後1年間保管

安全運転管理者は、ドライバーによるアルコールチェックの記録簿の内容を確認後1年間保管する必要があります。
保存方法やフォーマットに関して、特別なルールや指定はなく、紙媒体でもデータでもかまいません。
企業により従業員の人数や自動車の使用頻度が異なるため、管理しやすい保管方法を選ぶことが大切です。

しかし、紙媒体で1年間の記録簿を保管するのは、簡単ではありません。紛失や記入漏れ、さまざまなトラブルにつながるリスクがあります。
そこでおすすめしたいのが、クラウド上でデータを一元管理できる「セーフくん」というツールです。
大量の情報を効率的かつ安全に管理したい事業者は、ぜひセーフくんの導入をご検討ください。

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まとめ:アルコールチェックの運用効率化は「セーフくん」

まとめ:アルコールチェックの運用効率化は「セーフくん」

今回は、飲酒運転を未然に防ぐために義務化された、アルコールチェックについて解説しました。
アルコールチェックは、事業所に立ち寄る場合でも直行直帰でも、必ず安全運転管理者による厳密な確認が必要です。
また、チェックしたら終わりではなく、運転前・運転後のチェック内容を記録に残す必要もあります。

「セーフくん」では、ドライバーによるアルコールチェックの記録簿を、データとして安全に保管できます。
また、記入内容の確認や見直しも簡単にできるため、運用を効率化させるためにもおすすめです。

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