安全運転管理者のアルコールチェックとは、運転前後にアルコール検知器と目視等で酒気帯びの有無を確かめ、記録を1年間保存する業務です。白ナンバー車5台以上か、定員11人以上の車1台以上を使う事業所が対象とされます。
本記事では、安全運転管理者のアルコールチェック方法について解説します。確認方法の選び方と記録の残し方を、管理者の目線で整理しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
| この記事でわかること | 確認方法4種の比較・実施手順・記録簿の法定項目・注意点・導入事例 |
| こんな方におすすめ | 安全運転管理者と補助者、運用を設計する総務担当者・管理職 |
| 期待できる効果 | 法令に沿った確認方法と記録体制を決められます |
目次
安全運転管理者のアルコールチェックとは

安全運転管理者のアルコールチェックは、運転前後の酒気帯び確認と、確認内容の1年保存を求める法定業務です。義務の中身と対象条件を押さえると、自社でそろえる準備が見えてきます。
以下では、法的な位置づけと対象の判定方法を解説します。
- 安全運転管理者によるアルコールチェックの定義
- 2022年4月と2023年12月に追加された義務の内容
- 対象事業所の条件と該当判定
安全運転管理者によるアルコールチェックの定義
運転者の顔色・呼気の臭い・応答の声の調子を見たうえで、アルコール検知器で測定する業務を指します。根拠は道路交通法施行規則第9条の10です。
第6号が確認方法を、第7号が記録の1年保存と検知器の常時有効保持を定めています。
2022年4月と2023年12月に追加された義務の内容
2022年4月1日に、目視等による確認と記録の1年保存が義務になりました。2023年12月1日からは、検知器を用いた確認と検知器の常時有効保持が加わっています。
対象事業所の条件と該当判定
乗車定員11人以上の自動車1台以上か、その他の自動車5台以上を使う事業所は、安全運転管理者の選任が必要です。自動二輪車は1台を0.5台と数え、事業所ごとに判定します。選任後は15日以内に公安委員会へ届け出ましょう。
安全運転管理者のアルコールチェック確認方法

確認方法は、対面・電話・テレビ電話・クラウド管理の4種類です。
| 確認方法 | 確認できる内容 | 遠隔 | 向いている運用 |
|---|---|---|---|
| 対面 | 顔色・声・測定値 | 不可 | 全員が毎日出社 |
| 電話 | 声・報告された測定値 | 可 | 直行直帰が少ない |
| テレビ電話 | 顔色・声・測定値 | 可 | 現場への直行が多い |
| クラウド管理+通話 | 測定値・時刻・顔色・声 | 可 | 多拠点・早朝深夜 |
以下では、各方法の進め方と記録が抜けやすい場面を解説します。
- 対面による顔色・呼気・応答の目視確認
- 電話・テレビ電話等による遠隔確認
- クラウド管理システム・アプリを活用した自動化確認
対面による顔色・呼気・応答の目視確認
管理者が運転者と向き合い、顔色や声の調子を見て検知器の数値を確かめる方法です。顔色の赤みや呼気の臭いなど、数値に表れにくい異変まで確かめられます。
電話・テレビ電話等による遠隔確認
直行直帰の場合は、携帯型の検知器を持たせて電話やテレビ電話で確認する方法が認められています。テレビ電話なら顔色と測定結果を画面越しに確かめられ、電話では声の調子を聞きながら測定値を報告させる流れです。
関連記事:直行直帰時のアルコールチェックを6つの運用ステップとともに解説!
クラウド管理システム・アプリを活用した自動化確認
スマートフォンと連携するアルコール検知器を使用し、測定データをクラウド上で共有し、管理者が通話で運転者の声の調子や状態を確認・承認する方法です。
測定結果だけが自動送信される仕組みは、法令上認められていません。
安全運転管理者のアルコールチェックの実施手順
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安全運転管理者が行うアルコールチェック業務は、「①運転前確認 ➔ ②記録・保存 ➔ ③(異常時の)指示・報告 ➔ ④運転後確認」の4ステップで進めます。
各ステップで管理者が行う実務は、以下の通りです。
- ステップ1:【運転前】目視確認と検知器による測定を実施・確認する
- ステップ2:【記録】測定結果と法定項目を記録し、1年間保存する
- ステップ3:【異常時対応】酒気帯びを確認した場合は、直ちに運転を禁止する
- ステップ4:【運転後】業務終了時の確認と記録の追記を行う
ステップ1:【運転前】目視確認と検知器による測定を実施・確認する
目視と検知器による測定は出勤時にまとめて行えます。直行や急な運転が発生した場合は「乗車直前」に必ず実施します。
ステップ2:【記録】測定結果と法定項目を記録し、1年間保存する
確認後は、確認者名や測定結果などの法定項目を記録簿へ書き込みます。
保存先は紙・Excel・クラウドから選べ、法定項目さえそろえば様式は自由です。
ステップ3:【異常時対応】酒気帯びを確認した場合は、直ちに運転を禁止する
検知器が反応した場合や目視で異常が見られた場合は、運転を中止させます。補助者が確認していたときは、管理者へすぐ報告する体制が必要です。
ステップ4:【運転後】業務終了時の確認と記録の追記を行う
運転を終えた時点で目視と測定を行い、結果を追記します。
安全運転管理者のアルコールチェック記録簿の記載項目と運用ルール

アルコールチェックの記録簿には、警察庁の通達で定められた必須8項目を網羅し、1年間の保存が義務付けられています。
紙やExcelは記入漏れが起きやすいため、承認や修正の履歴まで残せる形式かを確かめておきましょう。
以下では、記載内容と運用ルールを解説します。
- 記録簿に残すべき「必須8項目」
- 記録を1年間保存し管理者が承認・修正履歴を残す
- 紙・Excel運用で起きやすい記入漏れと転記ミス
記録簿に残すべき「必須8項目」
法令(道路交通法施行規則)に基づき、以下の8項目を漏れなく記録します。
- 確認者名
- 運転者
- 自動車登録番号または識別できる記号・番号
- 確認の日時
- 確認の方法(対面でない場合は具体的な方法)
- 酒気帯びの有無
- 指示事項
- その他必要な事項
出典:安全運転管理者による運転者に対する点呼等の実施及び酒気帯び確認等について(通達)|警察庁
関連記事:アルコールチェックの記録簿とは?記載や保管方法からテンプレートまでをご紹介
記録を1年間保存し管理者が承認・修正履歴を残す
記録簿の保存期間は1年で、監査時にすぐ提示できる状態で保管します。管理者は確認の証として押印やログを残し、修正時は修正前の内容と修正者を記録しましょう。
紙・Excel運用で起きやすい記入漏れと転記ミス
紙では、運転後の欄や車両番号が空欄のまま出されるケースが目立ちます。Excelへの打ち直しでは「0.05」を「0.5」と入れるような転記ミスが起こりがちです。
安全運転管理者のアルコールチェック運用時の注意点
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安全運転管理者の未選任や是正措置命令への違反には、50万円以下の罰金などの罰則が科される可能性があります。
法令違反のリスクを回避し、日々の運用を確実に回すために、以下の5つの備えを徹底しましょう。
- 遠隔・時間外の対応: 直行直帰や夜間稼働における記録漏れの対策をする
- 代理体制の整備: 確認者不在や休日に備えて補助者を設定する
- 機器の保守管理: 検知器を常時有効に保ち、定期点検と校正期限を管理する
- 運用のルール化: 測定漏れ・確認漏れを防ぐ「確認・承認フロー」を明確にする
- 不正防止対策: なりすましや書き換えを防ぐ承認・監査の仕組みをつくる
1. 直行直帰や夜間稼働における記録漏れの対策をする
深夜便のある運送業や直行の多い営業部門では、管理者不在の時間帯に確認依頼が届きます。問題点として、承認の遅れや記録の抜けが起きがちです。これを防ぐため、携帯型の検知器を持たせて電話・テレビ電話で報告させるか、時間や場所を問わず承認できるクラウドシステムを導入し、確認が滞らない体制を作りましょう。
直行直帰や出張時でも、記録漏れを防ぐクラウド管理「セーフくん」

クラウド型アルコールチェック管理サービス「セーフくん」なら、管理者が外出中であってもスマホから迅速に確認依頼へ対応可能。ドライバーを出発前に待たせることなく、スムーズな業務開始と記録漏れ防止を両立します。
- モバイル承認:外出中や会食中でも、スマートフォンから即時に確認・承認できます
- 一覧での承認:複数の運転者の結果を、一覧画面で確認・一括承認できます
測定から承認までをクラウド上でスムーズに完結でき、料金は検知器込みで月額1,000円 / 1ライセンスから導入可能です。
直行直帰が多い現場でどのように承認フローが効率化されるのか、詳細はぜひ資料をご覧ください。
2. 確認者不在・休日に備えて代理実施者を設定する
管理者が不在の日や休日出勤に備え、副安全運転管理者や補助者がチェックを行える体制を整えましょう。補助者へ事前の教育を行うとともに、酒気帯びを検知した際は直ちに管理者へ連絡が入る報告ルートを定めておくことが不可欠です。
3. 検知器を常時有効に保持し週1回以上の点検と校正期限を管理する
アルコール検知器は常に正常に作動する状態を維持する義務があります。取扱説明書に沿って週1回などの定期点検を行い、電源やセンサーの異常がないか確かめましょう。また、センサーの使用期限や測定回数の上限を把握し、適切なタイミングで校正や交換を行います。
4. 測定漏れ・確認漏れを防ぐ「確認・承認フロー」を明確にする
運転前後の測定から管理者の確認・承認までの流れを社内ルールとして標準化します。
「測定結果の報告は運転終了後30分以内」「確認・承認の締め切り時間」などの運用ルールを具体的に設定し、未実施や記録漏れを未然に防ぎましょう。
5. なりすまし・書き換えを防ぐ記録の承認と監査の仕組みを作る
紙やExcelは代理記入や後からの書き換えが起こり得るため、承認後は編集できない状態で保管します。月1回は抜けや異常値を定期的に点検しましょう。
安全運転管理者のアルコールチェック運用事例・導入効果

セーフくんを導入した企業では、勤怠管理との併用による工数削減や、夜間の承認負担の軽減といった変化が報告されています。以下では、各社の課題と運用の変化を解説します。
- 建築業:勤怠管理との一元化で月4時間の業務工数を削減した事例
- 情報通信業:950名規模の検知結果をクラウド保管して管理作業を軽減した事例
- 運送業:24時間365日の承認依頼をクラウドで管理して負担を軽減した事例
- 金融業:検知器込みの利用形態で機器管理と発注の手間を削減した事例
建築業:勤怠管理との一元化で月4時間の業務工数を削減した事例
建築業C社では、アルコールチェックと勤怠管理を一元化する運用に変更し、1人あたり月4時間の業務工数を削減しました。導入前は別々に管理していたため、月末にデータ突合の作業が発生していました。
「セーフくん」の導入により、出勤時の測定結果が自動記録され、勤怠画面でまとめて確認できるようになった事例です。
情報通信業:950名規模の検知結果をクラウド保管して管理作業を軽減した事例
従業員数950名規模の自動車業界向けシステム開発企業では、検知結果をクラウド上に保管する運用に変更し、統合作業と管理側の負担を軽減しました。従来は勤怠管理と車両運行管理の情報を別々に扱っていたため、月次での統合処理が必要でした。
測定結果が自動記録され、クラウド画面から簡単に検索・抽出できるようになった事例です。
運送業:24時間365日の承認依頼をクラウドで管理して負担を軽減した事例
運送業A社では、24時間365日稼働する運転者からの承認依頼をクラウドで管理する運用に変更し、管理者の対応負担を軽減しました。24時間稼働のため、夜間や早朝にも確認依頼が発生し、対面や電話では対応しきれない時間帯がありました。
アプリで測定した結果をクラウドに自動保存し、管理者がまとめて確認・承認できる体制を実現した事例です。
金融業:検知器込みの利用形態で機器管理と発注の手間を削減した事例
金融業B社では、検知器込みの利用形態を採用したことで、検知器の期限管理や発注作業の手間を大幅に削減しました。導入後は各支店の検査記録をリアルタイムに共有・可視化できるようになりました。
機器の有効期限チェックや追加発注管理の手間が省け、運用コスト削減と管理業務の効率化を同時に達成しています。
安全運転管理者のアルコールチェックに関する質問

現場の安全運転管理者や実務担当者が、運用面で特に迷いやすい4つの疑問にわかりやすくお答えします。
社用車のアルコールチェックは誰が確認しますか?
事業所で選任された安全運転管理者が確認する決まりです。
安全運転管理者が不在や休日のときは誰が確認できますか?
原則として、事業所で選任された「安全運転管理者」が確認を行う義務があります。
法令上、対面またはそれに準ずる方法(電話・ビデオ通話等)で酒気帯びの有無を確認するのは、安全運転管理者の重要な役割とされています。
確認者と記録者は同じ人でなければいけませんか?
いいえ、別々の人が担当しても問題ありません。
安全運転管理者(または補助者)が確実に「確認・判断」を行っていれば、記録簿への転記やシステムへのデータ入力作業自体は、他の担当者が行っても法令上差し支えありません。
出張先で社用車を運転する場合はどのように確認しますか?
出張先に自社の安全運転管理者がいる場合はその場で確認を受け、いない場合は電話やアプリ等で自所属の管理者とやり取りを行います。
測定結果は、所属事業所の管理者へ報告・共有する運用とします。
法令遵守と業務効率化を実現!「セーフくん」で安心・安全なアルコールチェックを

安全運転管理者に義務付けられているアルコールチェックは、運転前後の点検から法定8項目の記録・1年間の保存まで、ミスや漏れが許されない重要な業務です。
代理体制や機器点検のルールをあらかじめ整えておくことで、現場の混乱を防ぎ、管理者1人への過度な負担や見落としのリスクを軽減できます。
「記録漏れや改ざんが不安」「毎日の転記や承認作業に追われている」とお悩みなら、検知器とクラウドアプリがセットになった「セーフくん」がおすすめです。
自動記録とチェック漏れ防止機能により、法令をしっかり遵守しながら、管理者もドライバーも「安心・安全」に運用できる体制を構築できます。








