【2025年】アルコールチェッカーの仕組みとは?業務用・市販用の違いも解説

【2025年】アルコールチェッカーの仕組みとは?業務用・市販用の違いも解説 コラム

アルコールチェッカーは、呼気中のアルコールをセンサーで検知し数値化する機器です。センサー方式には半導体式・電気化学式(燃料電池式)・NDIR式があり、精度や価格、耐久性に大きな違いがあります。

本記事ではアルコールチェッカーの検知の仕組みやセンサーの種類、業務用と市販用の違い、選び方のポイントを詳しく解説します。最後まで読むことで自社や個人の用途に最適な機器を選べるようになるため、ぜひ参考にしてみてください。

アルコールチェッカーとは

アルコールチェッカーとはアルコールチェッカーは、測定器に息を吹きかけるだけで体内に残留するアルコール濃度を数値化できる検査機器です。体内アルコール濃度の測定には血液採取と呼気採取の2方式が存在しますが、現場では手軽に実施できる呼気採取方式が採用されています。

2023年12月1日より、道路交通法施行規則の暫定措置が廃止されています。安全運転管理者を選任する事業所では白ナンバー車両に対してもアルコール検知器を用いた酒気帯び確認が義務化されました。

法改正により、営業車を保有する一般企業でも、運転前後のアルコールチェックと測定記録の1年間保存が法的に求められています。アルコール検知器を常時保持する義務も課されているため、定期的な点検や校正といった保守対応が不可欠です。

出典:道路交通法施行規則 第九条の十(昭和三十五年総理府令第六十号)|e-GOV

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アルコールチェッカーが検知する仕組み

アルコールチェッカーが検知する仕組みアルコールは摂取後、体の中で分解しきれなかったものが血流とともに肺に到達します。肺に入ったアルコールは呼気と一緒に外へ排出されるため、呼気中にも検出される仕組みです。

アルコールチェッカーは、息に含まれるアルコール成分を機器にあるセンサーで感知します。センサーが化学反応などを利用し、結果を数値にして状態を分かりやすく表示してくれます。

血中アルコールと呼気アルコールには直接の関連があり、呼気を測れば体の中に残るアルコールの状態も推測することが可能です。

アルコールチェッカー3種類の感知センサー

アルコールチェッカー3種類の感知センサーアルコールチェッカーに内蔵されるセンサーには、以下の3種類が存在します。

  • 半導体式
  • 電気化学式(燃料電池式)
  • NDIR式(非分散型赤外線)

3方式は価格や測定精度、メンテナンス頻度において明確な違いがあり、使用目的や運用規模に応じて選択することが大切です。ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

半導体式

半導体式センサーは機器表面の変化でアルコールの有無を調べ、手軽に使える点が最大の魅力です。酸素とアルコール成分が反応することでセンサーの抵抗値が変わり、その度合いで測定されます。

半導体式センサーのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット 手頃な価格・軽量設計・短時間測定
デメリット 誤検知リスクがある・精度がやや低い・寿命が短め

半導体式は値段が安く、コンパクト設計で持ち運びやすいメリットがあります。誤検知のリスクは多少高いですが、日常の簡易チェックには向いていると言えます。

電気化学式(燃料電池式) 

電気化学式(燃料電池式)は、呼気の中にあるアルコールを燃料として使い、電気が発生した量で濃度を判断します。アルコールだけに反応しやすいため、外部要因による誤検知が少ないのが特徴です。

電気化学式(燃料電池式)のメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット 高精度・誤検知が少ない・長持ち
デメリット 価格が高い・メンテナンスが必要

精度が高いので、業務現場や法令遵守が必要な場面で選ばれる方式です。価格はやや高く、定期的なメンテナンス作業は必要ですが安定した結果を得られます。

NDIR式(非分散型赤外線) 

NDIR式はアルコール分子が赤外線を吸収する原理を使い、物理的な変化で濃度を測定します。誤差が少なく経年変化にも強いため、長期間安定して使えるのが最大の利点です。

NDIR式センサーのメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット 極めて高精度・長期安定・環境変化に強い
デメリット 本体が大きい・価格が高い

温度や湿度の影響もほとんど受けず、精度を最優先する業務現場で導入例が広がっています。機器自体はサイズやコスト面でやや大きいですが、最新の方式として注目が集まっています。

アルコールチェッカーの感知センサーによる違い 

アルコールチェッカーの感知センサーによる違い 半導体式・電気化学式(燃料電池式)・NDIR式の3種類のセンサーは、測定原理が根本的に異なり、精度・価格・用途に大きな差が生まれます。センサー方式による主な違いは以下の通りです。

センサー別の違い
比較項目 半導体式 電気化学式(燃料電池式) NDIR式(非分散型赤外線)
測定精度 参考値レベル 高精度 最高レベル
誤検知リスク やや高い 極めて低い ほぼゼロ
価格帯 手頃 高め 非常に高い
主な用途 個人・簡易チェック 業務・法令遵守 大規模業務・研究機関

業務現場では精度と信頼性が優先されるため、電気化学式(燃料電池式)が主流です。個人利用や簡易確認では手軽さと価格面で半導体式が選ばれ、最高レベルの精度を求める大規模運用ではNDIR式が導入されています。

用途や予算に応じて、どのセンサー方式が自社に適しているかを見極めることが重要です。

アルコールチェッカー業務用と市販用の違い 

アルコールチェッカー業務用と市販用の違い 業務用と市販用では、法令への対応要件や運用環境の違いから、機能・精度・データ管理の仕組みが大きく異なります。

機能面 

業務用は法令が求める要件を満たし、正確な測定と不正防止を重視した機能設計です。国家公安委員会告示では「呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等により示す機能を有する機器」と定義されています。

提示された基準に加え、業務用では顔認証や画像記録、GPS情報の付与など高度な不正防止機能を搭載した機種が主流です。ストロー式やマウスピース式を採用すれば、一定量の呼気を確実に採取し、環境変化にも左右されにくい構造となっています。

市販用は手軽さを優先し、機器に息を吹きかけるだけの非接触式が中心です。基本的な検知機能は備えていますが、不正防止や記録機能はほとんど搭載されていません。

出典:国家公安委員会告示|警察庁

耐久性 

業務用は毎日複数の従業員が使う過酷な環境を想定し、頑丈な本体設計が施されています。搭載される電気化学式(燃料電池式)センサーは、定期的な校正やセンサーユニットの交換に対応しており、本体を買い替えずに長期運用が可能です。

市販用は個人が時々使う前提のため、本体価格を抑える代わりに耐久性は控えめです。半導体式センサーは他のガスにも反応して劣化しやすく、寿命が来た場合は基本的に校正ができません。
精度が落ちたり寿命を迎えたりした際は、本体ごと買い替える必要があります。

測定結果の精度 

業務用は飲酒運転を見逃さない社会的責任があるため、高精度と安定性が求められます。電気化学式(燃料電池式)センサーがほぼ必須で、アルコールに特異的に反応し、他のガスへの誤反応を大幅に抑えられます。

市販用はコストを重視して半導体式センサーが主流です。喫煙や口腔洗浄剤、一部の食べ物などにも反応しやすく、測定結果の信頼性は業務用に比べて劣ります。
飲酒量の目安を知る用途には適しますが、法的証明としては信頼性が低い設計です。

データの管理 

業務用は道路交通法施行規則により、測定結果の記録と1年間の保管が義務付けられているため、データ管理機能が極めて重要です。多くの機種がクラウドサービスや専用の運行管理システムと連携し、測定日時や運転者名といった法定項目を自動で記録・保存します。

市販用は記録・保管の義務がないため、データ管理機能は限定的です。測定結果が本体に残るか、Bluetoothなどで連携した個人のスマートフォンアプリに履歴として残る程度となっています。
法定の記録項目(確認者名・車両番号など)の入力や、第三者による管理・改ざん防止機能は基本的に備えていません。

関連記事:【2025年最新】業務用アルコールチェッカーおすすめ比較17選!選び方も解説

測定結果を即時に自動保存し、関連データと一元管理を可能にするクラウド型アルコールチェッカー「セーフくん」

測定結果を即時に自動保存し、関連データと一元管理を可能にするクラウド型アルコールチェッカー「セーフくん」セーフくんは測定結果を約30秒でクラウドへ自動送信し、測定日時と測定者情報を一元管理できる業務用アルコールチェック管理システムです。管理画面では全社員の測定状況を一覧で確認でき、未測定者へのアラート通知や測定漏れ防止機能を標準搭載しています。

顔写真撮影機能により本人確認を自動化し、代理測定やなりすましを防止できる設計です。測定データはクラウドに1年間保存され、点呼記録簿として出力できる機能を搭載しています。

管理者のアルコールチェックに関する業務負担を軽減したいとお考えであれば、ぜひご活用ください。

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アルコールチェッカーの選び方

アルコールチェッカーの選び方アルコールチェッカーを選ぶ際は、使用目的・運用人数・法令対応の必要性などを最初に明確にし、以下の項目に沿って選んでいくことが重要です。

センサーの種類

センサー選びでは、半導体式と電気化学式(燃料電池式)の寿命と精度の違いを理解することが大切です。
半導体式は構造がシンプルで低価格ですが、センサー寿命が比較的短く、使用回数や経過期間によって精度が落ちやすい特性があります。
電気化学式(燃料電池式)はアルコールに選択的に反応し、長期間にわたって安定した精度を維持できます。

個人使用や小規模事業所での簡易チェックであれば、半導体式でも十分な場合があります。
一方で、毎日複数回測定する環境や測定結果の信頼性を重視する現場では、電気化学式(燃料電池式)を選ぶことでコストパフォーマンスが向上します。

携帯型か据え置き型か

携帯型(ハンディタイプ)は軽量で持ち運びやすく、直行直帰や出張が多い社員に適した形状です。ポケットやカバンに入れて持ち歩けるため、自宅や出先でも測定でき、働き方の柔軟性に対応できます。

据え置き型は事業所の特定場所に固定設置し、出勤時や帰宅時に全員が同じ機器で測定する運用方式です。大型ディスプレイと音声ガイダンスを搭載した機種が多く、測定手順の統一化を実現できます。

測定方式

測定方式には吹きかけ式・ストロー式・マウスピース式の3種類があり、それぞれ測定精度と衛生面で特性が異なります。
吹きかけ式は本体のセンサー部分に直接息を吹きかける方式で、ストローやマウスピースが不要なため消耗品コストがかかりません。
ストロー式は専用ストローを本体に装着して測定する方式で、呼気を確実にセンサーに導けるため測定精度が高く、複数人での使用時に衛生的です。
マウスピース式は口全体を覆うマウスピースを装着する方式で、周囲空気の混入を完全に防ぎ最も高精度な測定ができます。

業務用途で法令遵守と精度を重視する場合は、ストロー式かマウスピース式を選択することが推奨されます。

測定以外の機能

アルコール検知以外の機能として、顔認証・GPS記録・音声ガイダンス・Bluetooth連携などがあります。
顔認証機能は測定時に自動撮影した顔写真を測定記録と紐づけ、代理測定やなりすましを防止できる機能です。
GPS機能は測定場所を自動記録し、直行直帰の社員が自宅や取引先で測定した際の位置情報を管理者が確認できます。音声ガイダンス機能は測定手順を音声で案内し、呼気の吹き込み時間や強さを適切に保つようサポートします。
Bluetooth機能は測定結果をスマートフォンに自動送信し、専用アプリから管理サーバーへデータをアップロードできる仕組みです。

自社の運用フロー(遠隔地管理の有無・不正防止の重要度・記録方法の選択)に応じて、必要だと思われる機能を選定しましょう。

関連記事:【2025年最新】アルコールチェッカーの5つの選び方や種類を解説

検査結果の記録方法

記録方法は、本体メモリ保存型・紙記録型・クラウド型の3種類があり、それぞれ運用負荷と法令対応レベルが異なります。

本体メモリ保存型は測定結果を機器内部に保存し、定期的にパソコンに接続してデータを取り出す方式です。
紙記録型は測定者が結果を専用の記録簿に手書きで転記し、ファイリングして保管する方式です。
クラウド型は測定と同時にデータがサーバーに自動送信され、管理画面からリアルタイムで全社の状況を確認できます。

アルコールチェッカーの仕組みについてよくある質問

アルコールチェッカーの仕組みについてよくある質問最後に、アルコールチェッカーの仕組みに関するよくある質問に回答をしていきます。

Q. 飲酒していなくてもアルコール検知される可能性はありますか?

  1. 飲酒していない状態でもアルコールが検知される可能性は十分にあり、主に口腔内に残留したアルコール成分が原因です。アルコール含有のうがい薬や洗口液を使用した直後は、口内に残ったアルコールをセンサーが検知して陽性反応を示す場合があります。対策として、測定前に一定時間は飲食を避け、水で口をすすいでから測定を実施することが推奨されます。半導体式センサーは香水やタバコの煙にも反応するため、測定直前の喫煙や強い香りの製品使用を控えることが必要です。

Q. なりすましや不正な測定を防ぐ仕組みはありますか?

  1. 代理測定は本人以外の人が測定を行う不正行為ですが、顔認証機能を搭載した機器では測定時の顔写真を自動記録するため技術的に防止できます。クラウド型システムではGPS機能により測定場所を記録し、本来の測定場所以外での測定を管理者が検知することが可能です。測定時刻と位置情報の整合性をチェックすれば、不正行為の抑止につながります。

Q. アルコールチェッカーのメンテナンスは必要ですか?

  1. アルコールチェッカーは定期的なメンテナンスを実施しないと、測定精度が低下し誤った数値を示すリスクがあります。センサーには使用回数や期間による寿命があり、半導体式と電気化学式(燃料電池式)でメンテナンス内容が異なります。日常的な手入れでは、マウスピースやストローを測定ごとに新品に交換し、本体表面を乾いた布で拭いて清潔に保つことが大切です。保管時は高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所に置くことでセンサーの劣化を防げます。

アルコールチェッカーの仕組みを理解して「セーフくん」で運用しよう

アルコールチェッカーの仕組みを理解して「セーフくん」で運用しようアルコールチェッカーは呼気中のアルコールをセンサーで検知し、体内の残留状況を数値化する機器です。センサー方式には半導体式・電気化学式(燃料電池式)・NDIR式があり、それぞれ精度・価格・耐久性に違いがあるため、用途に応じた選択が重要となります。

業務用と市販用では機能・精度・データ管理の仕組みが大きく異なり、法令遵守が求められる現場では高精度センサーと記録機能が必須です。選び方のポイントとして、センサー種類・本体タイプ・測定方式・記録方法を運用規模と予算に合わせて検討する必要があります。

「セーフくん」は測定結果を即時にクラウド保存し、顔認証・GPS記録により不正防止と一元管理を実現するクラウド型アルコールチェック管理システムです。直行直帰や複数拠点を持つ企業の運用課題を解決し、管理者の負担を軽減しながら法令要件を満たせる設計となっています。

法人向けに最適なアルコールチェッカーを導入したいとお考えであれば、ぜひご活用ください。

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